山芋の基礎知識

 

山芋は、もともと「山の芋」ということで、ヤマノイモ科のヤマノイモ属つる性の多年草です。この植物の芋として発達した担根体が、いわゆる食材になります。

 

山芋は別名も親しまれており、「ジネンジョウ・自然生」、「ジネンジョ・自然薯」、とも呼ばれています。厳密にはナガイモは別種となります。

 

山芋は、もともとは野生の植物で、昔は山へ行って掘って取ってくる野菜でした。秋頃になって、地上部分が枯れる頃が地下の芋の収穫時期になります。従って、枯れて残った蔓を目印にして山芋を探したわけです。しかし現在では、むかご状態から畑で栽培されています。

 

流通しているのは基本的に栽培ものです。これらは収穫しやすいよう、長パイプ、波板シートなどを使って栽培されています。

 

食用としては長く伸びた芋を食用にします。大きな特徴は、この芋の場合は含まれているデンプンが非加熱状態でアルファ化していることで、そのために生食できる点です。そこで擂りおろして「とろろ」にする調理法が代表的になったのです。親戚でもある「ナガイモ」と比較しても、山芋の方が遥かに粘り気は強くなっています。

 

また、和菓子の「薯蕷饅頭・じょうよまんじゅう」、「かるかん」、「きんとん」などの材料にもなります。製菓用の粉末状の製品もあります。

 

むかごも加熱調理して食用にできますが、生食もできます。むかごとは、植物の栄養繁殖器官のひとつのことで、主に地上部に生じるものを指しています。単に食材として「むかご」と呼ぶ場合は、ヤマノイモ・ナガイモなど山芋類のむかごのことを指しています。